野球肘とは?
野球肘とは、ボールを投げる動作によって肘が痛くなる肘の障害の総称です。
野球肘は野球やソフトボール、やり投げなどの物を投げる動作だけでなく、テニスのようなラケットを振る動作で肘に強い力がかかるスポーツでも生じます。
野球肘は子供だけでなく大人にも発症し、痛みのでた時期によって以下の2つに分けられます。
(1)少年期野球肘: 骨端線(成長線)閉鎖前の成長途上の骨端線や骨軟骨の障害
(2)成人期野球肘: 骨端線閉鎖後の骨、関節、靭帯の障害
野球肘の原因
野球肘は繰り返しボールを投げたり、ラケットをふることで肘に強い力がかかり、骨(骨端線)、軟骨、靭帯、筋肉に負担がかかり発症します。
特に投げすぎによる野球肘が最もよく知られていますが、「肘下がり」「手投げ」「体の開きが早い」「全身の柔軟性の低下」などの不適切な投球フォームや、速い球を投げる、遠くに球を投げるなど、たった1球でも肘に大きな負担がかかると野球肘が発症することが知られています。
最近ではボールの種類や大きさ、球種なども野球肘の原因になることがわかってきています。
野球肘が原因で肘が痛くなるメカニズム
肘には上腕骨(肩側)、橈骨・尺骨(手首側)の3つの骨があります。
ボールを投げるときには以下のそれぞれの部位に強い力が加わり、少年期には成長軟骨や骨端線、成人期には骨や関節、靭帯に負担がかかります。
肘の内側(小指側)には骨をつなぐ靭帯やボールをにぎったり押し出す筋肉がついています。したがってボールを投げるときには、内側には関節が離れようとする力(牽引力)が加わります。
外側(親指側)では骨と骨(関節)がぶつかる力(圧迫力)が加わります。
後ろ側(後方)では関節がぶつかる力(圧迫力)が加わります。
野球肘の症状
野球肘の主な症状は、ボールを投げる時や投げた後に肘が痛くなることです。
1球で痛みが出て投げられなくなるものや、徐々に痛みが出て痛みが慢性化するものがあります。
多くは日常動作で痛みを感じることはありませんが、症状がひどくなると日常生活での肘の曲げ伸ばしで痛みを感じたり、肘が急に動かせなくなることもあります。
また、頻度は低いですが、手の小指側(尺側)にしびれや力の入りにくさが起こることもあります。
その結果、全力でボールを投げられなくなったり、遠くまでボールを投げられなくなることもあります。
★続く
きみしま接骨院