アイソメトリックス
最低限度は生理学的に見て持続時間です。
実際トレーニングを行う時には適正限度に示す各強度に対する持続時間が勧められます。
トレーニング強度 (最大筋力比:%) | トレーニング時間 (収縮継続時間) | トレーニング時間 (収縮継続時間) |
最低限度 | 適正限度 | |
40~50 | 15~20 | 45~60 |
60~70 | 6~10 | 18~30 |
80~90 | 4~6 | 12~18 |
100 | 2~3 | 6~10 |
頻度
アイソメトリックスにおけるトレーニング間隔と筋力増加率は毎日ではなく1日おきに実施することが効果を上げていきます。最低週1回は行わないと筋力維持は出来ないと言われています。(筋肉の大きさや部位によって変化します。)
アイソメトリックス メリット
- 短時間に簡単にトレーニングできる。
- 用器具が無くてもどこでもトレーニングできる。
- 疲労が少なく(エネルギー消費が少ない)
- スティッキング・ポイントの集中力強化できる。
- 筋緊張の活性化に効果的です。
- リハビリテーション・エクササイズの一部として行う筋肉強化方法を活用できる。
- 中高年者は筋力トレーニングとしても安全。
アイソメトリックス デメリット
- 動きを伴うトレーニングに不向き
- 持久力のトレーニングに不向き
- 運動が単調
- 関節角度に特異性があるので様々な関節角度で行うことが望ましい。
アイソメトリックス 例
リハビリテーションやエクササイズの一部として活用できます。
例…太ももの肉離れをした場合、いきなりアイソトニックスを導入すると再発や悪化の可能性があります。筋の動きが少なく負荷の少ないアイソメトリックスを最初に行うことが効果的と言えます。
アイソトニックス
強度と反復回数
アイソトニックスの強度は、一般的に1RM(Reprtition Maximum)1回の実施可能な最大重量を基準にしてなん%でトレーニングするかという方法で使われます。(1RMを測定するのは危険です。安全に行える環境と指導者は必要と言えます。正確な数値は出しづらいと言えます。)
高重量低回数制 | Low Repetition System | 重い重量を使って反復回数の少ない方法 |
低重量高回数制 | High Repetition System | 軽い重量を使って反復回数の多い方法 |
トレーニングと負荷値と筋力曲線
反復回数 | 最大筋力比(%) | 期待できるトレーニング効果 |
1 | 100% | 集中力の高まり(爆発的な)・最大筋力 |
2 | 97.5% | 集中力の高まり(爆発的な)・最大筋力 |
3 | 95% | 集中力の高まり(爆発的な)・最大筋力 |
4 | 92.5% | 集中力の高まり(爆発的な)・最大筋力 |
5 | 90% | 集中力の高まり(爆発的な)・最大筋力 |
6 | 88% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
7 | 86% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
8 | 84% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
9 | 82% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
10 | 80% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
11 | 78% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
12 | 76% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
13 | 74% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
14 | 72% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
15 | 70% | 筋肥大(反復刺激による)・最大筋力 |
16 | 68% | 筋持久力 |
17 | 66% | 筋持久力 |
18 | 64% | 筋持久力 |
19 | 62% | 筋持久力 |
20 | 60% | 筋持久力 |
セット数
初心者…多種目小セット制で行うのが一般的
鍛錬者…小種目多セット制で行うのが一般的
トレーニング・プログラム作成
トレーニングの目的 | 単なる体力づくり・シェイプアップの一環として行う。 |
トレーニングの目的 | スポーツトレーニングの一部を行う |
トレーニングの目的 | リハビリテーション・エクササイズの一部として行う |
利用可能な用器具・施設 | |
個人の諸条件 | 年齢・性・経験・体力・運動能力等 |
プログラム作成上の原則
筋肉優先方 | 大筋群の運動種目から始める。 |
筋肉優先方 | スポーツでは専門的筋力トレーニングから始まる。 |
筋肉優先方 | 特に強化したい運動種目・身体部位のトレーニングから始まる。 |
充血法 | 同一種目を続けて多数セットを行うか、同一筋群を何種目かの運動で多角的連続的にトレーニングする。 |
大腿筋群にあっては最低週1回、できれば2回トレーニングをする。 | |
トレーニングの質(重量・フォーム等)と量に変化をつけてトレーニングする。 |
トレーニングの代表システム
①最高10回反復法(10RM System)…各セットとも10RMで実施する方法。運動量が多く筋量を増やすためにシーズンオフのトレーニングに適しています。
②ピラミッド法(Pyramid System)…セットに重量を増加していく方法と逆に減らしていく方法。同時に行ってセット毎に重量を漸増して1RMに近づいたら次にセット毎に重量を漸減していく方法があります。特に大筋群については強力な筋力が必要な場合この方法は有効です。
③交互反復法(Super Set System)…2種類の運動を選んで1スーパーセットとして行う方法です。
2種目の運動を選んでこれを1スーパーセットとして行う方法です。2種目を組み合わせる方法としては、次のようなものがあります。
拮抗運動または拮抗筋を選ぶ方法 | |
同一筋群を選ぶことのできる異なった運動種目 | ベンチプレスとダンベルプレス |
強い運動と弱い運動を組み合わせる | ベンチプレスとプッシュアップ |
3種類合わせる方法(Tri Set System)や4種類合わせる方(Giant Set System)もあります。
ともに強度は高く、筋持久力に向くトレーニングになり連続して休息なく実施する方法をノンストップトレーニング法(Non Stop Training System)と言います。
マルティ・パウンディジ法とフォースト・レペティションズ法 (Multi poundage System and Forced Repetitions System)
基本的には1セットの運動中に補助者によって斬次重量を軽減してもらって実施する方法です。
マルティ・パウンディジ法 | 反復困難な場合補助者にプレートを取り除き重量を減らして継続する方法。 |
フォースト・レペティション法 | 反復が困難な場合補助者が軽くバーベルを引き上げて強制的に行う方法 |
パーシャル・レインジ法(Partial Range Method)
1回の反復は一般的に全関節可動域の運動(フル・レイジン・ムーブメント)例フルスクワット
関節可動範囲に制限をかけ適切な負荷重量で行う方法の事を言います。(ハーフスクワットなど)
分割法(Spiit Routine)
トレーニングが慣れるにつれて実施したい運動種目及び運動量が増える為、1日で実施するのは困難な為、運動種目や運動強度体のトレーニング部位を日によって分けて実施する方法です。
例…月曜(上半身)火曜日(体幹)水曜日(下半身)木曜日(OFF)など
プレイグゾースチョン法(Preexhaustion System)
スーパーセット法の応用です。2種目の組み合わせにさらに工夫を加えて行います。2種類のうち最初に行う種目で大筋群のトレーニングし、協同筋として働く小筋群などを疲労させないようにして次の種目でこれら筋群を同時に使うようにするわけです。
例…ベンチプレス(大胸筋と三角筋などを使います。)大胸筋よりも弱い筋肉は先に疲労してしまいます。肝心な大胸筋への負荷をかける為に最初に大胸筋のみ負荷をかけてからベンチプレスを行います。
レスト・ポーズ・トレーニング(Rest Pause Training)
筋力アップとして高重量を使用する必要があります。
高重量は回数が出来ません。トレーニング量が不足して筋肥大を同時に求めるには不十分です。そこで集中性と筋肥大を同時に狙う方法です。
1~3RMの重量で始め、継続不可能となったら休息(15~20秒)を入れて重量を減らして1~2回実施する。この要領で6~10回反復します。1つの運動種目は1セットのみで1週間で1~2回で十分です。(介助者は必須であります。)
アイソトニックス メリット
- 自由に動作コントロール
- 専門的な筋力トレーニングはアイソメトリックスよりもやりやすく効果的である。
- エネルギー消費が多いいので筋肥大や持久力のトレーニングは有効である。
- アイソメトリックスより興味のあるトレーニングができる。
アイソトニックス デメリット
- 危険を伴うことが比較的多い。
- トレーニング効率はアイソメトリックスよりも劣る。疲労感が強い
- 専門的知識が必要
- 用具やマシーンは高価な物が多く・スペースが必要。
トレーニング頻度の考え方
金疲労を生じさせるようなトレーニングをした時に回復するまでに72時間(3日間)かかると言われています。(筋の部位によって違います。)中2日程度の休息が必要であります。分割法を用いれば毎日行う事も可能です。(栄養・食事・睡眠)はとても大切です。
まとめ
トレーニングが流行っている時代だからこそ、しっかりとした知識で自分に合ったメニューを考えて頂ければと思います。